あるイメージが発生し、それが形になり、流通する過程。そこには様々な境界面があります。ある個人が、あるいは地域社会が抱える言葉にならないモヤモヤ、違和感やズレ。そこと向き合う行為の延長にはじめてイメージが発生します。発生したイメージは流通し、日常生活の中に浸透するプロセスがあります。その時々の境界面に注目しながらアーツとデザインについて独自の超識を語ります。
藤 浩志(藤浩志企画制作室、神戸大学非常勤講師)
1960 年鹿児島県生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了後、パプアニューギニア国立芸術学校講師、都市計画事務所勤務を経て藤浩志企画制作室を設立。「地域資源、適正技術、協力関係」から発生する表現活動を志向する。現在福岡県糸島郡在住。主な表現として「ヤセ犬の散歩」「お米のカエル物語」「Vinyl Plastics Connection」「Kaekko」など。
藤浩志企画制作室代表、NPO 法人プラス・アーツ副理事長、神戸大学(表現ワークショップ論)非常勤講師
【セミナーの様子】
+DESIGNセミナーでは、「美術」の分野で活躍されている藤浩志氏を講師にお招きし、「デザインとアーツのボーダーエリア(境界面)」というテーマについて講義をしていただきました。
講師の藤氏が今まで取り組んできた事例を紹介していただきながら、デザインやアーツについて独自の超識を講義していただきました。また、様々な境界面に注目しその境界面が持つ可能性についてもわかりやすく講義していただきました。
講義の様子講師:藤 浩志氏
セミナー会場の様子
今回もたくさんの方々に参加していただきました。参加者は熱心に藤氏の講義を聞いていました。
講義の様子
ホワイトボードやスライドを使ってわかりやすく講義をしていただきました。
【講義概要】
デザインやアーツを考える上で「モヤモヤ」した何かを認識します。それは些細な感覚であり、社会の問題の部分であり、少しの違和感やズレでもあります。そんな意味不明の「モヤモヤ」に向き合うのことが、アーティストの本質であり、この「モヤモヤ」からイメージが生まれてくるのではないかと思っています。そういったことを踏まえて、今気になっていることがあります。[+arts]と[+design]。似た言葉ですが、意味は異なります。[arts]と[design]の間には認識はされていませんが、何かあるのではないかと思っています。 [arts]と[design]の間(中間領域:ボーダーエリア)には未開拓なものがたくさん眠っているのではないでしょうか?ボーダーエリア(中間領域)を共有して核となるべきものを考えていくことは、新しいイメージや価値観を創出するのではないかと私は考えています。