デザイン都市のデザイナーVol.21安全で安定したエネルギーを作る環境都市デザイン
「環境貢献都市KOBE」としてKOBE COOL CHOICEを掲げ、地球温暖化対策のため、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの普及、革新的技術開発の推進に取り組んでいる神戸市のエネルギー政策について伺うべく、神戸市環境局を訪ねた。
市の公用車として導入している燃料電池自動車「MIRAI」前で、環境局の田城さん、鈴木さん、山阪氏。
神戸市で行われている「再生可能エネルギー」の取り組みを教えてください。
まず神戸市では、地球温暖化対策として国が定めた基準「2030年度までに温室効果ガスの26%削減(2013年度比)」よりも高い34%の目標値を掲げています。その達成のために省エネももちろん必要ですが、並行して「再生可能エネルギー」への変換を進めていくことが重要です。例えば太陽光、風力、水力などの自然エネルギーはイメージしやすいかと思います。また、ごみの焼却時に発生する熱エネルギーを活用したごみ発電や下水処理で発生する消化ガスの有効活用、コーヒー豆かすや剪定枝等を燃料とするバイオコークス活用に向けた実証実験なども行っています。実は神戸市民の方々の環境意識は高く、太陽光発電の設置軒数は政令市の中で3位とトップクラス。市民の皆様から理解が得られているのではないでしょうか。
高効率のごみ処理発電を行っている「港島クリーンセンター(神戸市中央区)」の発電設備。水蒸気を利用し蒸気タービンで発電している。
革新的技術開発の推進とは、具体的にどのような取り組みですか?
「次世代エネルギー」とも言われる水素ですが、神戸市でも利活用を進めています。特長は非常にクリーンで、エネルギーを貯めて運べること。危険なイメージがあるかもしれませんが、実は昔から活用されていた安全なエネルギーです。皆様よくご存じの「エネファーム」も水素を活用したシステムです。また、燃料電池自動車は水素を使って電気を取り出して走ります。電気自動車と比較すると、ガソリン車並みの距離を走行でき、充填も1回3分ほどで済みます。水素の製造方法は色々ありますが、こうべ環境未来館(神戸市西区)では風力・太陽光による水の電気分解で水素を製造。製造過程でもCO2を排出しません。このように再生可能エネルギーと組み合わせることで、よりクリーンなエネルギー活用を目指しています。
「こうべ再エネ水素ステーション」が整備されている、こうべ環境未来館。
水素エネルギーは今後どのように普及していくのでしょうか?
神戸市では、「水素スマートシティ神戸構想」を掲げ、エネファームや燃料電池自動車などの身近な水素の利活用拡大を目指しています。来春には、水素発電による市街地での電熱供給として世界初となる実証がスタート。地元企業と連携しながら、水素エネルギーを本格的に利用する社会の実現に向けて取り組んでいきます。
未来のエネルギー水素を身近に感じていただけるイベントが12/10(日)にポートアイランドで開催されます。水素で走るバスの試乗会も。くわしくは「神戸 水素シンポ」で検索!(山阪)
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