デザイン都市のデザイナー Vol.12市民の非常時を支える食糧物資備蓄のデザイン

神戸市のクリエイティブディレクター・山阪氏が毎月市内のデザインに関わる人物を訪ね、その取り組みについて話を聞く。今回は大規模災害時に備え、食糧や物資を確保する神戸市の備蓄体制について神戸市経済観光局を訪ねた。阪神・淡路大震災を経験した神戸市では現在314箇所の地域備蓄拠点、それを補う14箇所の総合備蓄拠点が存在。万一の災害時に備えている。


神戸市経済観光局 経済部 経済政策課の高西さん、野間さんと山阪氏。備蓄倉庫の見学中に。

神戸市の備蓄体制は、現在どのような仕組みになっているのですか?

避難者20万人を想定した大規模な災害に備え、災害発生後3日間の食糧・物資を確保するために備蓄体制を確立しています。各ご家庭で取り組んで頂く「市民備蓄」や企業・業者と協定を結んでいる「流通備蓄」、国や地方自治体からの「救援物資」に加え、指定避難所等と市内14箇所にある総合備蓄拠点に設置しているのが「現物備蓄」です。総合備蓄拠点には大学や環境センターなどがあり、施設協力のもと備蓄スペースをお借りしています。中でも一番規模の大きなものがノエビアスタジアム神戸(兵庫区)で、観客席の下のスペースに2万人分もの食糧・物資を備えています。また、各備蓄拠点からの輸送に関しても市内のトラック協会やタクシー協会等と神戸市が協定を結び、災害時の状況に合わせて輸送できる体制を整えています。


総合備蓄拠点の一つ「丸山コミュニティーセンター/長田区」

みなとのもり公園の備蓄倉庫

12年保存水とリゾット ※画像はイメージ

今後改善していくこと、新しい取り組みなどはありますか?

まず飲料水ですが、これまで取り入れてきた「5年保存水」から「12年保存水」への移行を行う予定です。主食に関しては、これまでアルファ化米とクラッカーを備蓄していましたが、どうしてもアルファ化米の調理には水が必要ですし、食べられるようになるまでに時間がかかります。そのため一部アルファ化米も残しますが、平成32年度までの5ヵ年計画で、幼児やお年寄りでも開封後そのまま食べてもらえるリゾットへ入れ替えを予定しているところです。また、1人あたりの食数はこれまで1食でしたが、平成29年度からは2食にしていく予定です。現在、電気やガスがない状況でもお湯が作れる発熱キット付の粉ミルクを整備していますが、加えてアレルギー対応粉ミルクも整備中です。

備蓄について私たち市民が気を付けておくべきことはどんなことでしょうか。

各家庭でのストックが最も大切です。市の備蓄に頼ることなく、最低3日、できれば7日分の食糧や物資を備えておいて頂きたいです。というのも人命救助のリミットは発生から72時間と言われており、3日間は人命救助が優先されます。ローリングストック法など常に一定量の食料を家に備蓄しておくことを心がけて下さい。

食糧・毛布・おむつなど、市の備蓄は必要最小限のものだけ。メガネやお薬など、非常時にないと困るものは何か?普段からシミュレーションして準備しておいてくださいね。(山阪)


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