デザイン都市のデザイナー Vol.4地面から個性発信鉄の蓋に描かれた神戸の街風景
今回は道路で日常的に目にするマンホール、その蓋に施されたデザインに焦点を当てる。各地に様々なデザインが存在し、最近では「蓋女(ふたじょ)」と呼ばれる女性ファンもいるというデザインマンホール。建設局下水道部の木下さん、岩出さんに伺う。
(左から)神戸市 建設局 下水道部の木下さん、山阪氏、岩出さん。デザインマンホールと共に。
マンホールに装飾を施した「デザイン蓋」はいつごろから使われだしたんですか?
下水道事業に興味を持ってもらうことを目的として、全国的には昭和56年頃から使われ始めました。神戸市としては昭和63年の「有馬温泉デザイン」が最初です。その後、「アーバンリゾートフェア’93」でも市民によるマンホールの人気投票が行われ、神戸市中央区の街並みが描かれたデザインが登場しました。厳密にはデザイン蓋とは異なるのですが、既存のマンホール蓋にプレートを貼りつけた「マンホールインフォメーション」というものも神戸市各地にあります。こちらは細かい図形の表現ができるんですが、定期的なメンテナンスが必要なため設置している場所は限られています。
神戸市内最初のデザイン蓋 有馬温泉のデザインマンホール ※特別に色付けされたもの
市役所近くでよく見る神戸の市街地が描かれたデザイン蓋もありますよね?
フラワーロード沿い、中央区の市街地に設置されている「Welcome to KOBE」デザインですね。こちらは平成24年の下水道展のため、国際展示場前に作ったマンホールインフォメーションのデザインを、簡略化して金型で作成したものです。元々は市の職員のデザインなんですよ。
観光客を意識した『Welcome to KOBE!』のデザインマンホール蓋
現在、市内にデザイン蓋は何種類くらい設置されているのですか?
およそ10種類存在しています。岡本商店街では石畳に合わせて格子状になったデザインを採用していますし、センターサウス通りは独自のデザインです。市の事業としてやっていこうというものもありますが、各商店街などが自らマンホールの業者に相談して作ったものなどもあり、作成の経緯は様々です。
デザイン蓋を使った取り組みもどんどんPRしていきたいですね。
そうですね。今、下水道部の若手職員を中心に、デザイン蓋を印刷したコルク製のマンホールコースターを作り、三宮・元町地区のカフェに配るプロジェクトを実施しています。カフェを利用する若者にも下水道に興味を持って頂き、SNSで拡散してもらえたら…と思って日々頑張っています。
マンホールコースター配布協力店の1つ、トアロード沿いの「お気軽健康Cafe あげは。」
まちを歩くたびに、気になっていたマンホール蓋。今回の取材では、かなりレアなデザインのモノも見ることができました。まちの個性を出したり、観光PRに活用したり、工夫もいろいろ。市内に約23万個もあるそうなので、デザインや活用法について、もっと検討してみてもいいかも知れませんね。(山阪)
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