六甲山トンネル南口再整備 デザインコンぺティションの選考結果について

「デザイン都市・神戸」の取り組みの一環として、六甲山トンネル南料金所跡地の整備にあたり、市民の財産である六甲山へ誘う修景デザインを考案していただくデザインコンペティションを実施しました。

その結果、全国各地よりたくさんのご応募をいただき、選考の結果、下記の作品に決定しました。

応募状況

応募作品の選考

1.選考結果

最優秀賞

神戸市中央区 畑 友洋さん(畑友洋建築設計事務所)

入選

大阪市西区 石浦 邦章さん(有限会社 イクス ランドスケープデザイン)

大阪市中央区 宗近 眞人さん・中辻 哲也さん・山本 明さん(有限会社 シージーラボ)

神戸市須磨区 三宅 正浩さん・吉本 英正さん(株式会社 y+M design office)

2.選考委員

遠藤 剛生(※)
神戸芸術工科大学デザイン学部
環境・建築デザイン学科教授

木ノ下 智恵子
大阪大学コミュニケーションデザインセンター
特認講師
神戸アートビレッジセンター
美術プロデューサー

忽那 裕樹
株式会社E-DESIGN代表取締役

野口 志乃
いえ・まち・がーでん北野工作室主宰

松浦 厚
神戸市建設局参与
(※)選考委員長

3.入賞作品紹介と選考委員長講評

最優秀賞「バード・シティ」

作者:畑 友洋さん

畑友洋さんの作品1

畑友洋さんの作品2

趣 旨

六甲山の豊かな自然が育む動植物との共生のシンボルとして「バード・シティ」を提案します。
「バード・シティ」は六甲山に生息する多様な鳥たちのための小さなミニチュアの町です。そこに集う多様で愛らしい鳥たちを介して、六甲山の豊かな自然と生態系の一部分を可視化、象徴するとともに、その尊さを個人個人が親しみを持って感じとれる、環境へのさりげない啓発の場ともなると考えます。

周辺の街灯や交通標識ともなじむよう、細い鋼柱のみを設置し、そこに多様なバード・ハウスを取り付けるというシンプルなものです。地元の小学生をはじめ、多くの市民の方々も多様なバード・ハウスを作成することも可能で、多くの方々の思いによって、「バード・シティ」を創ってゆくこともできると考えます。

講 評

最優秀賞の作品については、六甲山の玄関口を「バード・シティ」でお迎えするという発想が良い。また、廃材の利用および予算の面、維持管理の面でもよく考えられている。料金所跡地の更地にふさわしく、ここから新しい物語が始まる場としての力を感じた。

入選「ROKKO ZEBRA」

作者:石浦 邦章さん

石浦邦章さんの作品1

石浦 邦章さん2

趣 旨

六甲山の自然環境が出現するゼブラパターンを提案します。
ゼブラパターンは、砕石敷きと本計画敷地に侵入してくる六甲山の植生(草本類)から構成されます。砕石部は、既設インフラのメンテナンス動線として機能します。草本類部は、自然遷移に任せるものとします。したがって、草本類部は六甲山の自然環境そのものが現出した部分であるといえます。

砕石部は、雑草の進入抑制のためアレロパシー効果をもつ杉樹皮を混入した真砂土の上、砕石敷きとし、持続的にゼブラパターンが担保されるようにします。草本類部は、六甲山の自然環境をあらわす自然遷移の初期設定として、六甲山系の土壌特性である花崗岩系の真砂土を敷設します。

本計画のパターンを経年的に見ると、砕石敷きと真砂土によるパターンが、砕石敷と草本類によるパターンへと移行します。本提案は、基本的にメンテナンスフリーです。その状況こそが計画地に六甲山の自然環境を出現させます。また、ゼブラパターンはカーブ部に位置する本計画地において自動車のスピード抑制効果が期待されます。

講 評

高さのある作品が多い中で、この作品は「地上のグラフィック」。
年月とともに、真砂土と砕石敷きのパターンが、草木類と砕石敷きのパターンに移行していく様も興味深い。

入選「KEEP CLEAN MT.ROKKO」

作者:宗近 眞人さん 中辻 哲也さん 山本 明さん

宗近眞人さん 中辻哲也さん 山本明さんの作品1

宗近眞人さん 中辻哲也さん 山本明さんの作品2

趣 旨

六甲山系に空き缶を捨てないよう、来山者を啓蒙するモニュメントです。
空き缶をステンレスネットネットで固定し六甲山系をモデル化しています。

遠くから見ると空き缶とは、わかりませんが近づけば無数の空き缶によってできているのがわかります。一見、空き缶の集積場のように見えるこのモニュメントから、空き缶について(例えば、ゴミなのか?資源なのか?環境への影響?等)何か考える契機になれば、と思います。

豪華なモニュメントではありません。
「けったいな、空き缶のモニュメントが何でここにあるんや?」
少し想像力のある人なら、日常生活でいかに缶を多用しているか、そして空き缶となった時の処置について考えるでしょう。夜は照明(LED灯具)によってモニュメントを演出します。

講 評

自然環境保全を象徴する場としての、提案の中では異色。
一見、空き缶(ごみ)の山とも見えかねないモニュメントだが、逆に「ごみ」(空き缶)について考えるきっかけを提供するという発想がおもしろい。

入選「GREEN HOUSE」

作者:三宅 正浩さん 吉本 英正さん

三宅正浩さん 吉本英正さんの作品1

三宅正浩さん 吉本英正さんの作品2

趣 旨

市街地から訪れる人々が六甲山に対して、神や精霊が棲む山としてのイメージを抱くように、精霊が実際にそこに棲んでいるかのようなスケールの小さい街並を創造する。

この街並みは、四季を通じて移り変わる六甲の自然環境と相まって、季節や天候によって、様々な顔を見せる。一日の昼と夜でも違う顔を見せ、特に夜は家の中に明かりが灯り、まるで本当に精霊が棲んでいるように思われる。
神聖な場所という意識を持ち、それを守っている活動を目にした人々は、自然の雄大さや豊かさとともにそれを守り続けることの大切さを意識する。

「精霊が棲む街」が六甲山の自然環境の保全を象徴する場となり、人々が今以上に環境問題を意識するようになる。特に家族連れや若者たちがその意識に触れ、未来を支える子供たちの自然環境保護に対する意識が高まることを期待する。

講 評

六甲山を神聖な場所として意識づけることを意識した提案である。
計画部分では、緑地と人工物を人間界とは反転させることにより、見る人に市街地の緑の少なさを意識させ、六甲山の自然について考えるきっかけを与えるという発想も良い。
六甲山の玄関口にできる小さな街はとてもほほえましく、予算に限りがなければ、是非実現させたい提案である。

全体講評

4作品が入賞に決まったが、4作品ともにコンセプトも異なり、それぞれが自然環境保護や地球温暖化などに対する啓発の方法として、さまざまなアプローチを試みている点がおもしろい。

表彰式・作品展示

2008年11月1日(土曜)「KOBEデザインフェスタ2008」(神戸ハーバーランド スペースシアター)にて表彰式を行い、入賞作品を展示しました。

今後の予定

2009年春の完成に向けて、神戸市道路公社が、実施設計および整備工事を行います。


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